「新宿区」不動産投資

不動産投資を行なうのあれば、まずは投資エリアのことを知る必要があります。

そのため、今回ご紹介する投資エリア「新宿区」について調査した結果を下記にまとめましたので、投資の選択基準の参考となる情報があれば活用下さい。

新宿区は副都心に位置し、歓楽街の顔をもつ新宿は、新宿駅の西口と東口ではまったく印象の異なるエリアとなっています。

西口は都庁をはじめ、大企業が多くビジネス街として、東口はアジア最大級の歓楽街である歌舞伎町を中心に繁華街として発展しています。

また新宿区は、多くのことで23区内でNO.1になっています。

例えば新宿駅の1日の平均乗降者数(2015年)は359万人程度、年間で13億人、これは世界でもNO.1の数値となっています。

また大久保周辺は外国人街としてのイメージも浸透していますが、実際に新宿区は外国人登録者数でも23区内NO.1となっています。

新宿駅西口エリアを降りると高くそびえたつ高層ビルが多く見られますが、200m以上の超高層ビルの数も23区でNO.1なのです。

そして単身世帯の割合においても、2010年の国勢調査によれば62.6%が単身世帯となっています。1990年は47%で半分以下であった数値が、三世帯中二世帯の割合まで増加していることになります。これは日本でも最も高い数値となっているのです。

また単身者を対象に新宿に定住したいかを調査した結果、7割以上が住み続けたいと回答していることから、新宿区の利便性の高さが伺えます。

確かに交通、食、買い物、病院、娯楽など多くの施設が整っているため、納得できる調査結果と言えるかもしれません。

このように多くの不動産投資に優れた要素を有する新宿区は不動産投資に適したエリアを言えるでしょうか?

今回は新宿区における不動産投資について考察していこうと思います。

新宿区の人口推移

 

新宿区の人口動向について調査しました。直近5年と過去抜粋データが下記となります。※()は外国人登録者数。

2016年:334,193人(38,585人)
2015年:327,712人(36,016人)
2014年:324,082人(34,121人)
2013年:321,172人(33,574人)
2012年:284,518人
2007年:277,078人
2002年:265,592人

2002年以降、日本人、外国人登録者数ともに人口は増加しています。

そして問題となるが今後の人口推移です。下記が2020年~2040年までの新宿区の人口将来推計となります。

2020年:340,717人
2025年:341,809人
2030年:340,740人
2035年:337,370人
2040年:331,524人

2030年には人口減少がはじまることが予想されていますが、その減少率はほぼ減少維持に近く、この先25年程度は人口減少を問題する必要はないかもしれません。

新宿区の不動産価格

次に新宿区の不動産価格の動向について見ていきましょう。

まず新宿区の地価は、東京都内、全国ともに5位となっています。最も高い時期の坪単価4000万円前後でしたが、2016年現在は1/4以下である900万円前後まで推移しています。

またここ数年の価格動向をみると、2007年と2008年の2年間は20%前後の大幅な価格上昇がありましたが、2009年から2013年の5年間は連続して価格が下がりました。

しかし2014年から今年2016年は上昇に転じ、3~5%程度の上昇率で推移しています。

新宿区を35エリアに分割した地域別の2016年のデータをみると、価格が上昇した地域が26/35と多く見られ、最も地価の高い新宿三丁目エリアは前年比13%以上のプラスとなり坪単価3500万円以上になっています。

千駄ヶ谷(60%以上)、歌舞伎町(20%以上)、東中野(15%以上)と大きく地価をあげています。反対に西早稲田、新宿御苑前エリアは前年比マイナス10%以上下落してします。

新宿区の地価は平均地価が900万円程度で、最も低い中井エリアでも坪単価170万円以上とかなり高いのが特徴となります。

新宿区の交通・アクセス

では新宿区の電車状況はどうなっているでしょうか?

まずはJRから。JRは山手線、総武線、埼京線、中央線、湘南新宿ラインの利用が可能です。

各路線の停車駅は下記となります。

・山手線:新宿駅、新大久保駅、高田馬場駅
・総武線:新宿駅、信濃町駅、四ツ谷駅、大久保駅
・・中央線:新宿駅、四ツ谷駅
・埼京線・湘南新宿ライン・中央本線:新宿駅

次に地下鉄。地下鉄は東京丸ノ内線、東西線、南北線、副都心線、都営新宿線、都営大江戸線の利用が可能です。

各路線の停車駅は下記となります。

・東京丸ノ内線:四ツ谷駅、新宿三丁目駅、西新宿駅、新宿御苑前駅、四谷三丁目駅
・東西線:高田馬場駅、早稲田駅、神楽坂駅、落合駅
・南北線:四ツ谷駅
・副都心線:新宿三丁目駅、東新宿駅、西早稲田駅
・都営新宿線:新宿駅、新宿三丁目駅、曙橋駅
・都営大江戸線:新宿駅、都庁前駅、新宿西口駅、中井駅、牛込神楽坂駅、東新宿駅、西新宿五丁目駅、国立競技場駅、落合南長崎駅、若松河田駅、牛込柳町駅

その他、京王線、京王新線、小田急小田原線、西武新宿線、都電荒川線の利用が可能となります。

・京王線・京王新線・小田急小田原線:新宿駅
・西武新宿線:高田馬場駅、西武新宿駅、中井駅、下落合駅
・都電荒川線:早稲田駅、面影橋駅

複数路線が利用できる駅は、新宿駅、高田馬場駅、四ツ谷駅、新宿三丁目駅、早稲田駅、神楽坂駅、落合駅、東新宿駅、中井駅となります。

新宿区で行う不動産投資の将来性

最後に、新宿区の不動産投資の将来性、不動産投資の適正などについて考察してみましょう。

まず将来人口推移をみると、2025年まで人口は増加が続き、2030年から2040年まではほぼ現状維持の推移となっています。

この現状維持期間の20年間で1万人程度の減少となり、全体の割合からみても3%程度の数値で推移します。

これは東京都の推移と比較した場合、新宿区の人口が減少する数値は非常に少ないことがわかります。全国的な数値と比較すればさらに優れた数値で推移することが予想されているのです。

また東京オリンピックの開催もあり、外国人観光客などの大幅な増加が予想されています。

新宿区は宿泊地としても人気が高いため、さらなる宿泊施設の不足が懸念される地域となるため、民泊の需要も高まり、投資物件を民泊ビジネスに活用する不動産オーナーも増加しています。

実際にエアビーアンドビーに登録されている物件を見ても、最も多い登録地は東京で、さらに都内でも新宿区が最も多いのです。

もともと単身世帯が多い新宿ですが、この単身者向けの物件を一般賃貸でなく、民泊に転用する方が増加していることも予想されています。

さらに単身世帯に目を向けると、新宿区には大学 早稲田大学、法政大学、東京医科大学、工学院大学などの大学が存在し、特に早稲田大学は2016年の時点で4.2万人以上の学生が在籍していて、これは国内で2位の学生数となります。

そのため民泊以外にも早稲田エリアでの学生を対象にした不動産投資も有効と考えれます。

では交通に関してはどうでしょうか?

JR、地下鉄、私鉄、さらに高速バスなど交通手段が多く、複数路線が利用できる新宿駅、高田馬場駅、四ツ谷駅、新宿三丁目駅、早稲田駅、神楽坂駅、落合駅、東新宿駅、中井駅など多くの駅があります。

都内だけではなく、神奈川、埼玉、千葉方面のアクセスも良く、非常に利便性の高いエリアだと言えます。

ただし新宿区で不動投資を行うメリットはたくさんある一方で、全体的に地価が高いというデメリットも忘れてなりません。

しかし新宿区の単身世帯の多い特徴に着目して、中古のワンルームマンションやコンパクトマンションといった小規模の区分所有物件を中心に投資をすることで、ある程度資金的な問題もクリアできるかもしれません。

日本を代表する歓楽街、ビジネス街、利便性の高さ、安定した将来人口推移など多くのメリットを有する新宿区を投資先としてあなたはどのように考えますか?

※人口データは新宿区資料、国立社会保障・人口問題研究所、土地価格は土地代データを参考に記事を作成しています。