「台東区」不動産投資

投資物件を購入する前に、投資対象エリアの調査を行うことは投資の成功をうらなう上で外せない行動になります。

そのため今回ご紹介する「台東区」について、人口、地価、交通などを中心に調査しましたので、投資エリアとしてふさわしい地域かどうかの判断基準として使える情報があれば活用下さい。

台東区は上野、浅草、御徒町、浅草橋、谷中といった国内、海外問わず多くの観光客が訪れる観光スポットとして有名です。

ここでは上野、浅草エリアに着目してみました。

まず上野エリアですが、ターミナル駅である上野駅があります。上野駅の2015年の一日の平均乗車人員はJR18.1万人(13位)、東京メトロ20.7万人(8位)となっています。

また上野駅近くには動物園、国立博物館、美術館など多くの文化施設がある上野恩賜公園や百貨店、家電量販店など多くの商業施設があるため、都内外の多くの方が訪問者で賑わっています。

また新宿、渋谷といったターミナル駅と比較すると、家賃はかなり安く、そして利便性も非常に良い街のため、賃貸需要は高い地区と言えるでしょう。

次に浅草エリアを見ていきましょう。

浅草寺や花やしきは昔から有名ですが、スカイツリーまで徒歩圏内のため観光しながら歩いて行く方も多いようです。またスカイツリーまで人力車にのっていくことができるため、観光客の方に人気となっているようです。

東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレスの複数路線を利用でき、都心へのアクセスもよい立地となっています。

このように住環境、利便性、家賃相場など多くもメリットを持ち、入居需要の見込める台東区における不動産投資について考察していこうと思います。

台東区の人口推移

台東区の人口動向について調査しました。直近5年と過去抜粋データが下記となります。※()は外国人登録者数。

2016年:191,749人(14,034人)
2015年:189,795人(13,248人)
2014年:187,792人(12,802人)
2013年:185,368人(12,503人)
2012年:169,999人
2007年:161,577人
2002年:153,857人

2002年以降、日本人、外国人登録者数ともに台東区の人口は増加しています。

そして問題となるが今後の人口推移ですが、2020年~2040年までの台東区の人口将来推計が下記となります。

2020年:175,110人
2025年:171,946人
2030年:167,799人
2035年:162,839人
2040年:157,240人

2020年には人口が減少に転じて、以降2040年まで減少する予想になっています。20年間で約1.8万人の人口減となり、全体の割合で約10%となります。

20年間で10%、つまり1年で0.5%の減少になりますが、この数値は全国的な数値から見れば決して高くはありません。

台東区の不動産価格

次に台東区の不動産価格の動向について見ていきましょう。

まず台東区の地価は、東京都内、全国ともに7位となっています。1989年の最も高い坪単価は1955万円前後でしたが、2016年現在は1/5以下である360万円前後まで推移しています。

またここ数年の価格動向をみると、2006~8年の3年間は地価は上昇していて、特に2008~9年の2年間は15%以上の高い上昇率でした。

その後、2009年から2013年の5年間は連続して価格が下がり、2014~15年は上昇に転じましたが、また今年2016年は下落に展示、マイナス5%の下げ幅となっています。

台東区を14エリアに分割した地域別の2016年のデータをみると、価格が上昇した地域は8/14となっていて、最も地価の高い秋葉原エリアは前年比3%以上のプラスとなり坪単価1000万円以上になっています。

田原町(40%以上)は大きく地価をあげていますが、その他の地域で大きな値上がりが起こったところはなく、新御徒町、蔵前エリアは前年比マイナス10%前後下落してします。

台東区の地価は平均地価が360万前後で、最も低い三ノ輪エリアで坪単価180万円前後と都内でも高い地域となっています。

台東区の交通・アクセス

では台東区の電車状況はどうなっているでしょうか?

まずはJRから。JRは山手線、京浜東北線、総武線の利用が可能です。

各路線の停車駅は下記となります。

・山手線、京浜東北線:上野駅、御徒町駅、鶯谷駅
・総武線:浅草橋駅
・東北本線、常磐線、高崎線、上野東京ライン:上野駅

また上野駅でJR東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線の利用が可能です。

次に地下鉄。東京メトロ銀座線、日比谷線、都営浅草線、都営大江戸線の利用が可能です。

各路線の停車駅は下記となります。

・東京メトロ銀座線:上野駅、浅草駅、田原町駅、稲荷町駅、上野広小路駅
・日比谷線:上野駅、入谷駅、仲御徒町駅、三ノ輪駅
・都営浅草線:浅草駅、浅草橋駅、蔵前駅
・都営大江戸線:新御徒町駅、蔵前駅、上野御徒町駅

その他、京成本線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレスの利用が可能となります。

・京成本線:京成上野駅
・東武伊勢崎線:浅草駅
・つくばエクスプレス:新御徒町駅、浅草駅

複数路線が利用できる駅は、上野駅、御徒町駅、鶯谷駅、浅草橋駅、浅草駅、蔵前駅、新御徒町駅となります。

台東区で行う不動産投資の将来性

最後に、台東区の不動産投資の将来性、不動産投資の適正などについて考察してみましょう。

まず将来人口推移をみると、2020年には人口が減少に転じ、それ以降も減少が続くと予測されています。このデータは国立社会保障・人口問題研究所のものになります。

しかし台東区では各種対策をおこなう台東区総合戦略を策定しました。そして台東区の独自のデータでは、平成57年まで人口は増加し、平成72年まで人口をほぼ維持する推移を推計人口として公表しています。

仮にこの取組が実現するのあれば、将来人口という要素では非常に有望な投資先となり得ます。

次に地価のデータをみると、東京都全体では2016年は約5%上昇していますが、台東区は約5%下降しています。

この下降率は23区内だけではなく都内全体をみても、ワーストの数値となっています。

2020年の東京オリンピック開催までは、都内の地価は上昇するという予想が多い中、すでに下降している台東区はすでに地価のピークを迎えたという見方もできるのかもしれません。

しかし単年のデータだけではなく、来年の動向を見守り、下降トレンドに入ったのかを見極める必要はあるでしょう。

ただし地価が下がったとしても、賃貸需要がいきなり下がることはないでしょうから、安く物件を調達できる可能性を下がるにはよい時期なのかもしれません。

では交通に関してはどうでしょうか?

JR複数、地下鉄複数、私鉄複数と交通手段は豊富で、複数路線が利用できる上野駅、御徒町駅、鶯谷駅、浅草橋駅、浅草駅、蔵前駅、新御徒町駅など多くの駅があります。

都内だけではなく、特に埼玉、千葉方面のアクセスも良く、利便性は高いエリアです。

キャピタルゲインまで視野に入れるのであれば地価の動向は気になるところですが、台東区独自の将来人口推移が実現すれば、不動産投資にとって大きなプラス要素になるかもしれません。

ターミナル駅にしては割安な家賃、多くの人気観光地を有する点、利便性の高さ、将来人口推移など多くの可能性を有する台東区を投資先としてあなたはどのように考えますか?

※人口データは台東区資料、国立社会保障・人口問題研究所、土地価格は土地代データを参考に記事を作成しています。