未知の地域で不動産投資を行なうのであれば、投資する地域の特性を事前調査することが投資の成否を左右する重要な高度にになります。
そのため、今回ご紹介する投資エリア「墨田区」について、地域の特性、将来人口推移、地価動向、交通の利便性を中心に調査した結果をまとめました。
投資エリアを選定する上で参考情報なるものがあれば活用下さい。
まず墨田区と言えば、2012年に完成したスカイツリーが有名ですが、今年2016年5月で4周年を迎えました。そしてこれまでの周辺施設を含めた来場者数は1億5600万を突破したようです。
国内はもちろん外国人観光客も多く、非常に人気のある観光スポットになりました。その経済は年間400億とも500億とも言われていますが、不動産投資を行なう上では新たな雇用創出は着目すべき要素でしょう。
なおスカイツリーによる新規の雇用創出は4000人とも言われ、それに伴い新たな居住需要も増加しました。このことは墨田区の人口データをみても、2012年に急増していることが確認できます。
またスカイツリー以外にも、相撲観戦と言えば両国、日本の花火といえば隅田川花火大会など魅力的なコンテンツを有する地域です。
このように賃貸需要が高い墨田区は不動産投資に適したエリアを言えるでしょうか?
今回は墨田区における不動産投資について考察していこうと思います。
墨田区の人口推移
墨田区の人口動向について調査しました。直近5年と過去抜粋データが下記となります。※()は外国人登録者数。
2016年:261723人(10673人)
2015年:258423人(9865人)
2014年:254627人(9309人)
2013年:252018人(9213人)
2012年:240691人
2007年:230131人
2002年:218743人
2002年以降、日本人、外国人登録者数ともに人口は増加しています。
そして問題となるが今後の人口推移です。下記が2020年~2040年までの墨田区の人口将来推計となります。
2020年:251708人
2025年:253962人
2030年:254172人
2035年:252522人
2040年:249099人
2030年までは人口増加が予想されていて、2035年には減少に転じています。しかし2030~2040年の10年間で5000人程度の減少のため、2040年までは人口問題はほぼないような状態と言えるかもしれません。
墨田区の不動産価格
次に墨田区の不動産価格の動向について見ていきましょう。
まず墨田区の地価は、東京都内18位、全国19位となっています。1989年の最も高い坪単価970万円前後でしたが、2016年現在は1/6以下である165万円前後まで推移しています。
墨田区と言えば、2012年に完成したスカイツリーが有名ですが、2006年にスカイツリー建設地として決定された翌年2007年から2008年にかけて、10%以上と大きく地価が上昇しました。
その後、2009年から2012年の4年間は地価は下がり続けましたが、2013年から2016年は上げ幅は大きくないものの、4年間連続して価格が上昇しています。
また墨田区を14エリアに分割した地域別の2016年データではと、11/14と大半のエリアで地価が上昇し、最も地価の高い地区は錦糸町エリアで前年比3%以上のプラスで坪単価250万円以上になっています。
数十%アップという高沸したエリアはなく、最も上昇した両国エリアが6%となり、全体的に数%上昇したエリアが多いのが2016年の地価動向になります。
同様に本所吾妻橋、曳舟、小村井エリアは地価が下がった地域ですが、6%未満の下げとなっていて大きな変動にはなっていません。
墨田区の地価は平均地価が165万円程度で、最も高い錦糸町エリアが坪単価255万円前後で、最も低い東あずまエリアが坪単価100万円前後となっていて、大きな地域格差がないのが特徴となります。
墨田区の交通・アクセス
では墨田区の電車状況はどうなっているでしょうか?
まずはJRから。JRは総武本線、総武線の利用が可能です。
各路線の停車駅は下記となります。
・総武本線:錦糸町駅
・総武線:錦糸町駅、両国駅
次に地下鉄。地下鉄は東京メトロ半蔵門線、都営浅草線、都営新宿線、都営大江戸線の利用が可能です。
各路線の停車駅は下記となります。
・東京メトロ半蔵門線:錦糸町駅、押上駅
・都営浅草線:押上駅、本所吾妻橋駅
・都営新宿線:菊川駅
・都営大江戸線:両国駅
その他、京成押上線、東武伊勢崎線、東武亀戸線の利用が可能となります。
・京成押上線:押上駅、京成曳舟駅、八広駅、曳舟駅
・東武伊勢崎線:とうきょうスカイツリー駅、鐘ケ淵駅、東向島駅、曳舟駅
・東武亀戸線:曳舟駅、小村井駅、東あずま駅
複数路線が利用できる駅は、錦糸町駅、両国駅、押上駅、曳舟駅となります。
墨田区で行う不動産投資の将来性
最後に、墨田区の不動産投資の将来性、不動産投資の適正などについて考察してみましょう。
将来人口推移は、2030年まで人口は増加が続き、2030年から2040年まではほぼ現状維持の推移となっています。2020年と2040年の人口を比較しても20年後に2700人減少とその減少幅は非常に少ないものとなっています。
墨田区の2040年までの人口増減は、不動産投資に大きなマイナスの影響を与えることはないと言えるかもしれません。
また人気観光スポットを有する墨田区は、東京オリンピックの開催による日本人及び外国人観光客などの大幅な増加が予想されています。
そのため墨田区内でも宿泊需要の高まりも期待できます。さらに都内のホテルや旅館の十分な供給が困難であると予測されていることから、墨田区内でも民泊の需要がさらに高まる可能性はあります。
そのため、賃貸物件を民泊ビジネスに転用することも有効な投資手段となるかもしれません。
またスカイツリー効果で新規の雇用創出が多く見られ、その効果で賃貸需要も高まっていることもプラス材料と言えるでしょう。
では交通に関してはどうでしょうか?
JR、地下鉄、私鉄など交通手段が多く、複数路線が利用できる錦糸町駅、両国駅、押上駅、曳舟駅があります。
東京駅までのアクセスが非常によく、また千葉方面のアクセスも良く、非常に利便性の高いエリアだと言えます。
地価に関しては、23区内で標準的な価格帯に位置するのが墨田区です。また地域での地価の差も大きくないため、スカイツリー周辺や錦糸町など賃貸需要の高いエリアは狙い目となるのではないでしょうか。
雇用創生、利便性の高さ、安定した将来人口推移など多くのメリットを有する墨田区を投資先としてあなたはどのように考えますか?
※人口データは墨田区資料、国立社会保障・人口問題研究所、土地価格は土地代データを参考に記事を作成しています。